-
マーケティングの「3C分析」とは?WEBサイト作りに役立てよう
WEBサイトを作るその前に
WEBサイトを作る技術を身につけたら、自分で考えたホームページを作ってみたくなりますよね。
あるいは、友人や知人のサイトを作るケースもあるかもしれません。
しかしそこで自分のイメージのままに手を動かすのはちょっと早急です。
WEBサイトづくりには、テキストエディタを開いて作り出す前に「やること」があるんです。
マーケティングの「3C分析」という概念
WEBでは「要件定義」なんていう言葉でも事前準備の必要性が語られますが、そういった詳細なプロセスにいきなり入る前に、前々から意識すべきことがあります。
それが「3C分析」という概念。
マーケティングでは基本のキとしてある考え方ですが、これはどんなWEBサイト作りにおいても、あるいはSNSの運用や記事書きにおいても役立つ手法です。
ではその「3C分析」を解説していきます。
3Cとは3つの単語の頭文字からきています。それが以下。
① Customer(市場・客)
② Competitor(競合)
③ Company(自社)
上記の順番で考えていくのがセオリーなので、上記の順番自体も覚えておきましょう。
WEBサイトづくり、ひいてはビジネス全般において何かサービスやコンテンツを作り出すとき。必ず最初に考えのがこの3つになります。
では、ひとつづつ解説していきます。
① Customer
「Customer」は「市場・客」のこと。
今回作るWEBサイトにおいて「どんな市場にいるお客さんがターゲットなのか」を明確にします。
一言で「明確にする」と言っても、考えることは山ほどあるんです。
1)市場の分析
自分がこれから入っていく「市場」を分析します。これは業界の同行を知る調査となります。
具体的には、
「政治面」
「経済面」
「社会面」
「技術面」です。それぞれのジャンルにおいて、自社のWEBサイトにとって優越を左右する要素があるかを見定めます。
それぞれ「Politics/Economy/Society/Technology」となるため「PEST分析」と言われてるんですね。
政治や社会面という大きな視点での分析になるため「マクロ分析」とも解説されます。
2)顧客の分析
そして「顧客」です。顧客のパーソナル(個人の特性)を調べます。
どこに住んでいて、
どんなものが好きで、
いま何歳で、
家族は何人いて、
また学歴や結婚歴などなど、考えられる要素を限界まで、詳細にターゲットの定義をしていきます。
この分析はパーソナルという言葉からの派生で「ペルソナ(Persona)分析」とも言われます。
② Competitor
「Competitor」は「競合」の意です。
自社にとって「同業ではどんなライバルがいるのか」「異業種ではどんなライバルがいるのか」などを解体していきます。
これが「5F分析」と言われます。Fとは「Force(脅威)」のこと。つまり「自社を脅かす要素」です。
具体的には、
「新規参入の脅威」
「売り手の脅威」
「買い手の脅威」
「代替品の脅威」
「業界内の競合」以上を指します。これら「5つの脅威」を抽出するんです。
③ Company
「Company」は「自社」のこと。
これまで分析してきた「Customer(市場・客)」「Competitor(競合)」を経たうえで、
《自社はどのような戦略で進むべきか》
以上を決めます。WEBサイトであれば《このホームページはどのようなコンセプトで作るべきサービスなのか》といったところです。これはブログでも、非商用サイトでも同じ考え方です。差別化を図る際にはマストの考え方になります。
この順番はとても大切です。最初に「客を定義し」「競合の脅威を知る」からこそ、自分たちの戦略が編み出されます。
思いつきや勢いだけでは、戦略は立てることができません。あくまで自社を取りまく要素(客・競合)あっての自社であることを認識するプロセスなんですね。
ここでは「SWOT分析」というマトリックスで考えます。
自社の、
Strength(強み)
Weakness(弱み)
Opportunity(チャンス)
Threat(恐怖)以上を出してみる。自社の特長を俯瞰する良い機会でもあります。
全ての商用活動の基本にあるマーケティング「3C分析」
文中でも少し触れていますが、この「3C分析」という考え方は、WEBサイトのみならず、全てのビジネスに役立つ概念です。基本であり基礎でありながら、応用にも使える普遍的な概念と言えます。
実際に町でお店を開くとき、自分でブログを開設するとき、新しいビジネスを考えるとき、誰かをプロデュースするとき、あるいは音楽や絵を創作して販売したい場合においても使えるのです。
①どんな市場の・どんな客を狙うのか?(Customer)
→PEST分析
→ペルソナ分析②どんな脅威が考えられるか?(Competitor)
→5F分析③自社の戦略を立案(Company)
→SWOT分析以上の多角的な視点から、自社のアイデンティティを省み、整理し、これから進むべき道を策定します。
「現地・現場・現物」を忘れない
「分析」に走り始めると、それだけで満足してしまう人がいます。しかし、それは言わば「机上の空論」に過ぎません。
大事なのは、3C分析をネット検索や図書館での調べ物で終わらせず「実際に現地へ行き・現場を見て・現物に触れる」ことです。
ネット検索の精度が上がっている現代において、何事もインターネット検索の答えだけで納得し、データを作る人がいます。しかしそれは、見方を変えれば「Googleがたまたま出している検索結果の集積」に過ぎません。
ターゲットが「40代のサラリーマン」ならば、実際にその年代の人達にインタビューをし、リアルの声や行動を拾い上げる必要があります。多くはそこで「思っていたのとちがう答えが出てきた」「ネットは当てにならない」となるものです。
データ中毒にならず、WEBサイトのづくりやビジネスのスタートアップにおいては「現地・現場・現物」を必ず導入しましょう。
「ネット等での調べ物」+「リアルの声・行動の集積」の二重構成をもとに、自社の戦略を立てる必要があります。
自分の「町」で考えてみる
「3C」を理解するには、自分に置き換えてみるといいでしょう。
あなたの住んでいる町。
あなたが最も使う「電車の駅」(駅がない場合はバス停でも、よく使う広場でもOK)の近くに「カフェ」をオープンしたいとしましょう。
さて、どうしますか?
どうするかと言われても、困ってしまいますよね。そこで「3C」なのです。
ざっくりですが、頭の中でこのように展開してみます。
①どんな市場の・どんな客を狙うのか?(Customer)
→PEST分析:日本は高齢化社会・高齢者は貯蓄も時間もある等
→ペルソナ分析:60歳以上の男女等②どんな脅威が考えられるか?(Competitor)
→スタバやマックなどカフェ要素のある競合は多数いる等③自社の戦略を立案(Company)
→若者狙いでなく高齢者をターゲットにした「お茶飲み屋」
→コーヒーでなく番茶や緑茶や和菓子などで展開実際はペルソナも細分化し、その駅の近隣に済む高齢者の人口データや、さらに高齢者の方々に直接インタビューをするなど「現地・現場・現物」方式でデータを蓄積していきますが、例えば上記の分析により、コンセプトが見えてきます。
《高齢者憩いの和菓子茶屋》
といったふうに。スタバやマックと競合せず、日本の高齢化社会を追い風にし、新しい形態の「高齢者カフェ」を作るというビジネスモデルです。
「3C分析」に慣れると、自分がビジネスをやる時にササッとこのような展開で「分析グセ」がつくようになります。
WEBサイト制作においても「3C」の視点から、いったいどのような市場や客にアプローチし、競合を警戒し、自社のサービスを確立するかにたどり着くことができるのです。
プログラミング+マーケティングの時代
プログラミングは今後の世界において重宝され続ける技術であることは間違いありません。しかし一方で、単に「WEBsサイトが作れる人」で終わっては、WEBクリエイターとしての商品価値は低いもので終わってしまいます。
WEBクリエイターサイトを制作する際に、
①どんな市場の・どんな客を狙うのか?(Customer)
→PEST分析
→ペルソナ分析②どんな脅威が考えられるか?(Competitor)
→5F分析③自社の戦略を立案(Company)
→SWOT分析以上のステップで考えながら顧客の相談に乗れると、そこで「プランナー」「プロデューサー」といった視点のあるエンジニアになれるでしょう。
当然顧客サイドも、マーケティング視点を持った人にWEB制作の相談をしたいわけで、これからの時代はますます「プログラミング+マーケティング」のスキルは重宝されるものになります。
挫折回避のプログラミング学習法
当サイト「メンタレ」は、メンターを一時的に「レンタル」できるサービス。
独学の途中や挫折したところからなど、さまざま場面からのスタートをメンターが「講座」というかたちでサポートします。
単なる質問チャットや動画教材とはちがい、自分の弱みを系統立てて修復できるのが特長です。オンラインだから全国どこでも活用できる。
修得すべきことが山ほどあるプログラミングの世界において、上手にメンターを借りて、正しい順序で着実に学んでいきましょう。
独学の方はもちろん、一度挫折した経験がある方、オンラインの無料学習などでちょっとプログラミングをやったがそのまま放置になってしまった方、あるいは他のスクールで散々な目にあったという方など。もちろん完全初心者の方もOKです。
一度、まずはお気軽にご相談ください。