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将来もプログラミングの仕事ある?10年後の需要や人材不足の予測は?
プログラミングを今から勉強する意味ある?
IT化の時代のなかでますます「プログラミング」という言葉の露出が増えてきていますね。
いま、プログラミングと関係のない仕事に就いている方でも「IT業界とか難しそうだけど、転職できれば安泰なのかなあ…」「プログラミングやったほうがいいかなあ…」なんて思うことがあるかもしれません。
2025年には大学入試の共通テストにプログラミングが採用される方向で動いていたり、小学校・中学校でもプログラミング学習が必須科目としてすでに導入されているなど、プログラミングは一般的な「学問」として認知されえう土台が出来上がってきました。
こういった日本の動きは、イギリスやハンガリー、エストニア等のプログラミング教育を小学生から必須科目に取り入れてる国々を参考にしていることに起因します。同時に、アメリカや中国、インドといったIT大国との差がこれ以上開かないように国策として導入していることも背景にあるでしょう。
しかし、この2021年にプログラミングの勉強を始めても、例えば10年後くらいに「IT人材の需要」ってどうのなっているのか不安の方もいるかもしれません。本当に今から勉強して意味あるの?と。
プログラミングの仕事って10年後もありそう…?
本記事を書いているのが2021年3月30日。
「今から10年後も、IT人材の需要ってあるの?」
そんな疑問に答える経済産業省のデータを見てみましょう。
スマホだと小さくなってしまうので、解説をつけていきます。
(データ引用:経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」より)
このデータは結論「2030年には最大で「約79万人」のIT人材不足が国内で起こる」ことを示しています。少なく見ても「約41万〜59万人」足りないのだそう。
日本だけでもこの有様なので、世界単位で考えた場合は深刻すぎるエンジニア不足がこれからも続きます。
国内、世界のIT需要は今後も着実に増加し、企業はインフォメーションテクノロジーの導入を加速度的に迫られている状況。しかもシステムは一度導入して終わりでなく、アップデートしたり、バグへの対応や新しいスマートフォンやパソコン、時代のトレンドに合わせ常に最適化していかなければなりません。
先日も、みずほ銀行の大規模なシステムトラブルがニュースになったり、LINEが日本の顧客データを業務委託先の中国企業のエンジニアが閲覧できるようになっていたために日本へとデータを管理移行するなど、名だたる大手企業さえも日々ITシステムの最適化を迫られているのは記憶に新しいところ。
60万件を処理した前日は問題なかったが、翌日は70万件でパンク。負荷に耐えられるか、メモリー使用状況から予見できなかったのか。みずほ銀行システム障害で浮かぶ疑問です。https://t.co/trKQHoAkzc
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) March 18, 2021
みなさんも近隣のファーストフードが会員証やクーポンをアプリで提供していたり、モバイルSuicaのアプリが大幅な刷新アップデートをしたりなど、日常のなかの目まぐるしい「IT化」を感じているかもしれません。
まさにこれらの動きが「終わらないITアップデート」です。時代はますます「より手軽に・より安全に」を求めており、企業はサービスの重要なコンテンツのひとつにITを導入せざる得なくなっています。
ここで、必要なのがフロントエンドやバックエンドを担う「大量のエンジニア」となります。つまり、プログラマーですね。
それは町の商店や中小企業でも
みずほ銀行やLINE、モバイルSuicaのJRなどの大手のみならず、現在は町の商店から役場までもが「IT化」してきています。
企業の規模に関わらず、いまやホームページがあることは当たり前であり、WEBサイトを使っての通販が実店舗の売上を超えているビジネスモデルも珍しくありません。
そしてホームページもアプリ同様、時代のなかで最適化していくことが必須であり、全国のWEB制作会社が忙しくしているのは、こういった中小企業からのニーズに日々応えているからなのです。つまり、大手企業のシステム=バックエンド案件のみならず、一般的なホームページの制作や改善・運営といったフロントエンド案件も受発注が飛び交っています。
つまり、案件の大小に関わらず企業のITサービスやコンテンツの新規開発や既存サービスの改善のニーズがなくなることはないのです。
プログラミング習得=安泰ではない
ここまで見てくると、プログラミングを習得するとなんだか仕事に困らないようにも見えますが、そこは冷静に考えることが必要です。
「プログラミング覚えた=安泰」ではありません。
ここを勘違いさせる学校の広告も多いので気をつけてください。プログラミングをちょっと習ったくらいで人生の安泰や成功は全く約束されません。
例えば、お寿司職人の専門学校に通って技術を覚えた人全員が立派なお店を持てたり、お金持ちになっているでしょうか。英会話スクールに通った人全員がペラペラで、外資系企業に入って高収入になっているでしょうか。そんなことはないですよね。
大事なのは勉強そのものに真面目に取り組むことはもちろん、その勉強に「終わりはない」と理解すること。イチロー選手も引退試合のその日もいつもと同じトレーニングをこなしています。一流の人こそ、いつも技術を高め、自分の質を最高に高めているのです。
つまり、プログラミングをやっただけで将来が約束されているわけでなく「人材不足の業界、10年後も確実に伸びている業界への入り口に入った」くらいの感覚が良いでしょう。努力、努力の世界だからです。
「プログラミング+社会人スキル」が大切
プログラミングだけがもし得意になっても、当然社会性がなければキャリアとしては頭打ちになります。頭打ちならまだしも、会社員としてもフリーランスとしても嫌われることになれば、事実上干される事態にもなりかねません。
プログラマーとかエンジニアと聞くと、なんだか天才肌だとか職人肌な印象を持つ方もいるかもしれませんが「稼ぐ」ということは他人と気持ちよく仕事ができてこそが大前提です。
それは日常の立ち振舞いや人付き合いはもちろん、SNSでも礼儀正しくいることも現代では必要です。プログラミングがちょっと出来るようになると、天下でも取ったかのように習得法を上から目線でツイートしたり、会社員エンジニアを揶揄したり、反対にフリーランスにエンジニアを揶揄したりする人もいます。SNSだからなのか、仮面が取れた状態で他者を嫌な気分にさせるような「圧」を出す人もいます。
プログラミングは世の中のある数千の仕事のなかのひとつにすぎず、出来るようになったからといって神様でもなんでもありません。
ほかの仕事と同様「スキル+社会性」つまり「プログラミング+社会人スキル」が大切であることを忘れず、仕事があることに感謝し、またいつも自分は「未来の職場の人に見られている」という気持ちでいましょう。
伸び続ける業界であることは確か
プログラミングを学ぶと確実に就職できたり食いっぱぐれがないということでなく、それはあくまで自分次第。
しかし、ITに関するビジネスは落ち目どころかこれからのAIやIoTの技術の進歩でさらに伸び続けるということ。本記事ではそんな「これからも旬の業界=IT業界=プログラミング」は「どうせ努力するならば狙い目である」ことをお伝えしています。
もし今から何をやろうか決めてない人、音楽や芝居が好きで他にビジネス的なものに興味が持てない人、現在の仕事が嫌で新しいスキルを身に着けたい人。そんな方々にもプログラミングはおすすめできます。
なぜなら、5年後10年後にプログラミングで仕事をこなせるようになったとき「自分の好きなことをしながら、プログラマーとしても手堅く稼ぐ」ことも可能な業界だから。人材不足の業界というのは、仕事探し面でも他の職種に比べて有利なんですね。
しかし壁は高いことも事実。プログラミングはすぐに理解できたり、楽しめるようなものではなく、普通に半年〜1年以上は辛い時期が続きます。そしてその第一トンネルを抜けても、間髪入れずに第2トンネルに突入します。そういった困難時期をいくつもくぐり抜けると、うっすら周囲が明るくなってくるイメージです。
ただし本記事で扱っているように「10年後もしっかり人材不足」なのはもう目に見えているため、学ぶなら今からでも全く遅くはありません。むしろ小学校中学校でプログラミング学習が始まったこの2021年以降は早めに手を出しておいたほうが、5年後10年後に歳下の人たちにも頼られ、胸を張れると思います。
IT化に大きく出遅れている日本
日本でも、世界でもエンジニア、プログラマーの育成は遅れています。各国があせっているのは事実ですが、特に日本のIT教育の現状は惨憺たるもの。
この2021年までは「プログラミングは興味のある人がやるもの」であったという惨状なのは、みなさんもなんとなくわかると思います。友人や知人でプログラミングをやっている人がいると「すごいね〜」みたいな。
そんな空気に代表されるように、諸外国はとっくに着手していたIT人材の育成を最大級に後回しにしていたのが我が国です。すでに各国とは10〜20年以上の差が空いているとも言われています。
その理由として、例えばよく例えに挙げられる「国民一人あたりのコンピューターの整備状況」は、以下のようになっています。
・シンガポール:2.0人につき1台(2010年)
・アメリカ:3.1人につき1台(2008年)
・韓国:4.7人につき1台(2011年)
・日本:6.5人につき1台(2013年)
実はすでに10年前からシンガポールや韓国にもコンピューター行き渡り具合は負けており、日本がICT教育(Information and Communication Technology)やIT文化の醸成に動いてなかったことがわかります。
また、日本にはコンピューターは「オタク」「勉強しなくなる」「目が悪くなる」などの原始的な偏見があったことも要因のひとつ言えるでしょう。
こういった背景や数値から見ると、経済産業省が算出する「10年後も約79万人のIT人材不足」「さらにその後もIT人材不足の数は増え続ける」という見込みが、現実的なものというのがわかると思います。
しかし、一朝一夕にいかないのがプログラミング
プログラミングは誰しもが出来るようになるほど甘いものではありません。
昨今は「プログラミングは簡単」「3ヶ月学んでフリーランスに!」といった、集客のための間違った宣伝も散見されますが、《プログラミングは難しいもの》です。ここを勘違いしてはいけません。このあたりの現実的なお話は『「プログラミングは簡単」はウソ。難しいですよ』を。
政府がIT教育にやっと本腰を入れてきたことは喜ばしいことではありますが、大きな問題として「プログラミングの挫折率9割問題」があります。これはよく語られる話で、IT教育サービスを7年やってきている当社でも「一度あきらめたけど、もう一度挑戦したい」というお問合せやご相談をよく受けます。プログラミングの高い挫折率、また再挑戦したいという方も一定数いるというのは間違いないと見ています。
やる気はあっても一朝一夕にいかないのがプログラミングであり、少しでもこの挫折の原因を突き止め、解消していくのが当社のようなIT教育に携わっている企業の努めであると考えます。
そこで作ったサービスが、メンター、講師をレンタルできるサービス「メンタレ」です。
プログラミング講師を「ピンポイントで借りる」という発想
当サイト「メンタレ」は、プログラミングのメンターを1講座からレンタルできるサービス。
動画やオンラインでの自習ではなく「今のあなた」が打破したい壁を、メンターが講座形式で解決。何時間も何日もググる必要はありません。
オンラインの専任講師でマンツーマン。
同じ講師にずっと習えるからこそ、技術的に弱い箇所を把握してもらえる。質問もしやすい。雑談もかわせる。これまであったようでなかった、オンライン授業となっています。
『【初心者必見】プログラミング学習で気をつける「7つの注意点」とは?』でも取りあげた注意点を抑えた「メンタレ」で、あせらず成長の土台を築きましょう。