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「Zenn」とは?Qiitaとの違いや使い方を解説するよ。
「Zenn」とは?
プログラミング学習で調べ物をしたりSNSを見ていると、たまに遭遇する情報サイト「Zenn」。
2020年9月に始まったばかりのサービスです。とはいえ、その話題性と人気はエンジニア界隈でも話題になりました。
しかし、まだご存じない方もいるかもしれないので、今回ご紹介できればと思います。
「Zenn」とは?いったいどんなサイトなのでしょう?
「Zenn」は、エンジニアが自分の持っている技術情報を記事にして共有するサイトです。
ん…?
ここまで聞くと「2011年からあるQiitaと何がちがうの??」となりますね。
「Qiita」とのちがいは…?
「Zenn」と「Qiita」の最も大きな違いは何でしょう?
それは「稼げる」ことにあります。その背景にある思想も現代的です。
しかし、それ以外にも結構ちがう特長がたくさんあるんですね。
では、Zennにある「10の特長(Qiitaとのちがい)」を見ていきましょう。
「Zenn」の「9つの特長」
「Zenn」の特長を挙げていくと、非常に考えられたサービスであることが見えてきます。
言ってしまえば、これまでの既存メディア、特に「Qiita(情報共有)」そして「note(対価を得られる)」のいいとこ取りをしていると言えるもの。もちろんその他の特長も魅力。
では、その「10の特長」の1つ目から。
①投げ銭で稼げる・支援できる
エンジニア特有の「アイディアや技術を共有し助け合う文化」。それはとても尊いものであるのは確かですが、ひとつ”問題”があります。
それは「自分の情報は対価なく無料で出し続けるのに、運営プラットフォームのサイト自体は広告収入で稼ぎ続けている」ということ。ここにZennは目をつけました。
Zennには読者が「自分にとってためになった!」という記事には「200円〜5,000円」のサポート(投げ銭)ができる。その執筆者の頑張りにお金を払うことができます。
これは書き手からすれば、記事作成に費やした時間と手間が報われることになり、なおかつ次作へのモチベーションに直結しますよね。
「稼げる、支援できる」というのはZennの大きな特長のひとつです。
②本(電子書籍)を販売できる
Zennでは、自分の記事をまとめ、Zennサイトの中で販売できます。「本」と言っても、紙の本を制作できるわけじゃないところは注意。
Zennサイト上のブックリーダーで読むことができる、Kindleのような「電子書籍」のことですね。
自分の書いた記事を本にするプロセスもとっても簡単です。
値段設定は「0円〜5,000円」まで。一部の章、あるいは全ページ無料公開できるのもポイント。
今や単発の情報はインターネットで手に入ることは一般的ですが、やはり「本(電子書籍)」として体系化された情報は貴重。
また「Zennで本もリリースしている」「Zennでベストセラーを出した」というのは、エンジニアとしてはユニークな実績にもなり、自身のブランディングへも反映され、また自信にもつながるでしょう。
Zennで投稿している記事をいつか本にまとめて販売することを目標に置いて、あらかじめ体系的に書いておくのがコツ。ある程度記事がたまったところでサクッと電子書籍にできるので、合理的です。
③有料記事が「ない」
「この記事の続きを読むには有料」という、寸止め手法はZennではできません。
これは単に「読もうと思って意気揚々と来たのにハシゴを外された」という事態を招かないため。
あくまでZennでは記事は全公開されます。
Zennの収益ポイントは2点のみで「投げ銭」「本を出版できる」というシンプル構造です。
④catnose氏が開発
プログラミング初心者にはおなじみの「サルワカ」を個人で開発したcatnose氏が、このZennも個人で開発しています。
ユーザー目線の配慮がなされているのは、開発者ご本人の意向がダイレクトに反映されているからなんですね。
なおZennは現在、クラウド、モバイル、データ分析、機械学習、IoT、モダン開発などのテック会社クラスメソッド株式会社が買収し、運営にあたっています。なんと20社以上のオファーの中から選ばれました。
Zennは投げ銭や本の販売など金銭を扱うサイトということで、ユーザーの不安解消のため個人運営ではなく法人運営に切り替え、体制を整えたという背景のようです。
⑤美しいインターフェイス
書きやすい、見やすい、というのもZennの特長です。
「サルワカ」の開発者というだけあって、洗練されたデザインと分かりやすさには一層磨きがかかっている印象。
⑥マークダウン形式で書ける
エンジニアに嬉しくも初心者には優しい「マークダウン形式」で記事やコメントを記述できます。マークダウンエディター自体もシンプル。
例えばHTMLなら「<h2> </h2>」と書くところを「**」と書けばOK。
マークアップよりも簡単に書けるマークダウンは、ルールも覚えやすく、簡略化されたスマートな手法です。
⑦スレッドを立ててチャットもできる
「スクラップ」機能を使えば、自身の開発の記録などをアーカイブできるだけでなく、自分でスレッドを立てて、チャットで議論も出来てしまいます。
自分に必要な情報をまとめるも良し、意見交換に使うも良しの能動的な保存機能といったところ。
⑧投稿の種類を選べる
「Qiita」ではポエム的な記事が増えていることが懸念されていますが、Zennでは以下の「Tech」「Idea」の2種から投稿記事のカテゴリーが選べます。
①Tech:プログラミングなどの技術や開発についての知見
②Idea:マネジメント、チームビルディング、キャリア、本やツールの紹介、学習方法、ポエムなど
投稿の設定は、PCなら画面右上からセット可能。下の画像で言うと一番左のボタンから投稿記事に種類を設定できます。
デザイン/インターフェイスはこういう箇所もわかりやすい配慮がなされていますね。
⑨GitHubとの連携も可能
GitHubのリポジトリでZennのコンテンツを管理することも可能。
マークダウンファイルの作成もスムーズな「Zenn CLI」というツールが用意されているのも良いところ。インストール方法はこちらをどうぞ。
これは「Node.js」がインストールされた環境であれば、MacでもWindowsでも導入可能です。
⑩Google アナリティクスとの連携も
これは「Qiita」でも可能ですが、「Zenn」でもGoogle アナリティクスとの連携は可能となっています。
「Zenn」のアカウントの作り方は?
「Zenn」のアカウントの作り方は2021年6月現在「Googleアカウント」のみとなっています。
満を持して出てきたサービスなので、これはあえてGoogleのみに絞っていると考えられます。Googleアカウントさえ持っていれば認証はとてもスムーズ。
自分のGoogleアカウントを指定し、自分のニックネームを決めます。2021年6月現在ニックネームは変更できないので、注意しましょう。
「Zenn」のSEOは?
昨今のSEOアルゴリズムを鑑みるに「Zenn」の記事だから順位は上がらない、「Qiita」だから上がるというわけではありません。
しかし「Zenn」は2020年9月に始まった新しいサービス。
2011年から脈々とサイトエイジを積み重ね、ユーザーのオリジナル記事が満載の「Qiita」に比べれば不利な点は確かにあるでしょう。ページ数やPV数も飛び抜けて多い「Qiita」は実際に検索でもよく出てきますよね。Googleにしっかり認められている証拠です。
一方「Zenn」はこれからのサイトであるものの、むしろ現代的な素養を備えたWEBサイトゆえ、今後着々とサイト全体にも力がつき、記事単体にも力が着々と蓄積されていきます。
しかし言えるのは、その記事がどの情報サイトやブログサービスに属していても。どれだけの情報が詰まっていてユーザーの助けになるか、またその記事を支持するナチュラルな被リンクがどれだけあるかで順位は決まってくるということ。
最後は「ユーザーに真の価値をもたらす記事」が勝つというのはSEOでの普遍的な基準になります。
「Qiita」「note」のいいとこ取り
「Zenn」の特長を見てきましたが、まさに、
✔「Qiita」に足りなかった点
✔「note」の利点
以上の2つを体現したサービスであり、そこに独自の付加価値を持っているサービスと言えるでしょう。
令和ならでは、2020年代らしい配慮がなされた新しい技術情報サイトになっています。
老舗で日本最大級の「Qiita」そして新鋭の「Zenn」双方を使いこなし、プログラミング学習やエンジニア仕事の効率化に活かしていきたいですね。
なおQiitaについては特集している『「Qiita」とは?特長や使い方、読み方や注意点を解説するよ。』をどうぞ。
的確な情報を学習に活かす
プログラミングの学習において、とりわけ初心者の段階では、いかにエンジニア的な情報収集をするかが大きなポイントです。ポイントというか、その後のエンジニアスキルを左右する命運を握ると言っても過言ではありません。
せっかく手にした情報が実は古いやり方だったり、効率の悪いものだったとしても、初心者はそれに気づくことができません。
当サイト「メンタレ」では、プログラミングの独学や学習途中での問題を解決するサービス。
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オンラインのマンツーマンで講義を行い、質疑応答にも答えるため、受講者は自分のわからない箇所を正しく解決でき、また自分に合った学習方法を教えてもらうことも可能。
そのような鍛錬の土台があったうえで、今回ご紹介したような「Zenn」や「Qiita」を使用するといいでしょう。もちろん、Google検索のスキルも必須です。
お気軽にご相談ください。